ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブック(Facebook)がモバイル分野への進出を加速させている。同社は11月3日、携帯電話のGPS機能を利用して電子クーポンなどの特典情報をユーザーの端末に配信するサービスを始めると発表した。
世界最大のSNSにこうしたサービスが導入されることで、米グーグルなどのほかのネット企業とのユーザー争奪戦が激しくなりそうだと米ニューヨーク・タイムズなどのメディアが報じている。
ギャップやマクドナルドなど数十社が参加
「ディールズ(Deals)」と呼ぶこのサービスは、まずアパレルチェーンのギャップやH&M、ファストフードのマクドナルドなど数十社が参加し、いずれは中小の企業も利用できるようにする。
サービスは数日以内に米国で利用できるようになり、今後数カ月かけて米国以外でも展開するとしている。
フェイスブックはこれに先立ち、外出先などで知人に現在位置を知らせるサービス「プレイシーズ(Places)」を始めているが、ディールズではこのプレイシーズの機能を利用する。
プレイシーズを利用しているユーザーのスマートフォンを対象に周辺店舗のクーポンを配信するというもので、ユーザーはそれを店員に見せて、様々な特典が受けられるようになる。
例えばギャップが1万本のジーンズを無料で配るほか、H&Mや百貨店チェーンのメイシーズは20%オフの割引販売を行う予定。
米プロフットボールリーグ、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(49ers)の試合チケットなども割引販売される。いずれもフェイスブックの自社アカウントでプロモーションを展開している企業だ。
フェイスブックはグーグルより有利
プレイシーズは、プライバシー侵害の恐れがあると指摘され物議を醸したサービスだが、今回の新サービスをきっかけに利用が増えるとアナリストが予測するなど、モバイルマーケティングの側面では好意的に見られているようだ。