マット安川 「月刊日本」というオピニオン誌を長く手がけ、与野党問わず今そこにある問題点を追及されている南丘さん。現政権の国家観のなさ、マスコミや政治家の問題から国民の自覚についてまで、厳しい目線で分析・解説いただきました。

閣僚の虚偽答弁は問題なしとは・・・。政府の閣議決定にはあきれるばかり

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:南丘喜八郎/前田せいめい撮影南丘 喜八郎(みなみおか・きはちろう)氏
「月刊日本」主幹
(撮影:前田せいめい、以下同)

南丘 政府は2月4日、国会で閣僚が虚偽答弁、つまりウソの答弁を行っても、「内容次第で必ずしも政治的・道義的責任は生じない」ということを閣議決定しました。

 昨年12月にそういう政府答弁書を出していたんですが、それはおかしいと自民党の山谷えり子参議院議員が質問主意書を出したところ、それに対する答弁書を閣議で了承したわけです。

 ウソの答弁をしても、「国民からの信頼を損ねるとの指摘は当たらず、撤回する必要はない」と。閣僚はウソの答弁をしても結構ということです。

 あきれましたね。1億2000万人の国民の生命財産を守り、将来安心して暮らせるような国をつくっていこう、そのためには命を投げ出すつもりで国会議員になったんだという志と覚悟を持っていれば、こういうことは絶対にあり得ない。

 民主党は一昨年8月の総選挙で、マニフェストによって圧倒的に勝ちました。マニフェストでは子ども手当を2万6000円出します、高速道路は全部無料化しますと言っていた。しかし、できてない。ウソじゃないですか。

 今回の閣議決定はマニフェストとは関係ないですが、虚偽答弁してもいいと閣議決定するような男を総理大臣にしてはダメですよ。このまま民主党政権が続いたら大変なことになります。

国民の無自覚さも問題。マスコミ報道はインチキだから騙されるな

 今から5年半前、小泉(純一郎・元首相)さんの郵政改革選挙では自民党が圧勝しました。郵政民営化反対と言った議員は除名され、刺客を送り込まれたりした。

 そして1年半前、今度は国民こぞって民主党に期待して、全く別の主張をした民主党が圧倒的多数になった。だから民主主義というのは怖い、選挙というのは怖いんです。

 これは結局、国民の問題でもあるわけです。おいしいことを言ってくれたら、その政党に投票する。国民が非常に無自覚であるということです。

 ただ、国民の無自覚さを助長しているのはマスコミです。マスコミというのは常に権力側、体制側にいます。きちんと正しい情報を出さない。