TPP議論が不毛なのは
農業が想像を絶するほど多様だから

あなたの知らない農業の世界(1)

2011.02.18(Fri) 有坪 民雄
筆者プロフィール&コラム概要

 今回から、「あなたの知らない農業の世界」というシリーズを始めます。

 怪奇物ではありません。

 この連載のタイトルは、どこかのテレビ番組のタイトルをパクりました。ただし、内容は怪奇ものでも心霊ものでもありません。留意されることがほとんどない、しかし、議論の際に何をインプットするかによってアウトプットが吉永小百合にもマツコ・デラックスにもなるという、農業の重要な要素について書いていきます。

 書こうとした大きな動機は、マスコミを応援するためです。もっと頑張ってもらい、本当のことを伝えてもらうためです。

 近年、マスコミはネット上で叩かれることがよくあります。叩かれる理由はいくつもありますが、そのうちの1つは、「その筋の専門家」をうならせるようなコンテンツになっていないことが挙げられるでしょう。要は、中途半端な内容だということです。

汚染米事件の取材にやって来た記者たち

 しかし、少なくとも私が知っているマスコミの方々は、総じて「知ろう」という努力はしています。

 2008年に汚染米事件が発生した時、マスコミの記者たちは、コメ偽装の実態について語れる人を目を皿のようにして探していました。

 驚いたのは、私の元にも取材の申し込みがいくつもあったことです。私がコメ偽装の実態を知っていることに、どうやって気付いたのでしょう?

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1964年兵庫県生まれ。香川大学経済学部経営学科卒業後、船井総合研究所に勤務。94年に退職後、専業農家に転じ、現在に至る。1.5ヘクタールの農地で米、麦、野菜を栽培するほか、肉牛60頭を飼育。主な著書に『農業に転職する』『農業で儲けたいならこうしなさい!』『戦略の名著!最強43冊のエッセンス』(共著)などがある。


農業の進む道

就業者の高齢化と減少、国際競争力の欠如など、様々な問題を抱える日本の農業。農業改革が遅々として進まないのはなぜか。農業を覆う問題の構造を明らかにし、あらゆる方面から日本の農業を活性化する方策を探る。