「バーバリー」ファーの使用と売れ残り商品の焼却処分を中止

英・ロンドン中心街にあるバーバリーのブティック外観(2017年11月9日撮影)。(c)AFP Photo / Niklas HALLEN〔AFPBB News

 ブランド価値を下げたくない。そのためには、たとえ売れ残った商品でも安値で叩き売るわけにはいかない。いっそのこと、まとめて処分する方が得策だーーこんなファッション業界の慣習に、世界中が「No」を突き付けた。イギリスを代表する高級ブランの一つ、バーバリーはその世間の反発に折れるしかなかった。が、コトはバーバリーだけの問題ではない。環境負荷を無視するファッションブランドの振る舞いに、世界中が厳しい目を向け始めた。(JBpress)

不買運動にまで発展

 英高級ファッションブランド、バーバリーが2018年の年次リポートを発表したのは2018年6月のこと。すると、このリポートはすぐにネット上で炎上、物議を醸すことになった。

 何が問題だったのか。報告書には、バーバリーが売れ残った服やアクセサリーなど3700万ドル(約42億円)相当を、新品のまま焼却処分していると記載されていたのだ。バーバリーの言い分としては、同社の知的財産を守り、製品が盗まれないための措置だということだが、現実には、割引やセールで安く売りさばくとブランドのイメージや商品の価値が下がるため、それを防ぐのが目的だったと批判された。

 特に激しく反発したのは、セレブや環境保護団体、環境意識の高い消費者などだ。衣料品などを作る際に使う資源や労働を無駄にしている点、焼却処分にする際に環境に与える悪影響への懸念などを指摘した。ファッション業界は世界全体の二酸化炭素排出量の10%を占めているとも言われている。

 この問題を受けて、ネット上からはバーバリーに対する不買運動「#boycottBurberry」が起き、英国会議員らも発言。ある英労働党所属議員は、「環境庁はこの売れ残り製品に対して行われる目に余る行為を摘発する時だ」と声を上げた。