中国沖で衝突炎上のタンカーが沈没、乗組員の生存絶望的

中国東部の沖合で黒煙を上げて炎上するタンカー「サンチ」。中国交通運輸省提供(2018年1月14日公開)。(c)AFP/Transport Ministry of China 〔AFPBB News

油ガス田共同開発合意を無視する中国

 新聞報道によると、防衛省は、2018年6月下旬に中国が東シナ海の日中間中間線付近の中国側海域の油ガス田に新たな移動式掘削施設を確認した模様だ。

 この新たな掘削施設は、これまでの施設より深い場所で掘削できるタイプで、既に海底に固定されているという。

 日本政府は、6月29日、一方的な開発に向けた行為はきわめて遺憾であると抗議した。ちなみに中国は、これまで中間線付近のガス田で16基の海上施設を設置し、そのうちの12基が活動中である。

 かつて日中両国は、中間線付近のガス田の開発をめぐる対立を緩和するため、2008年に中間線をまたぐ海域に共同開発区域を設置し、4つのガス田のうちの1か所を共同開発することに合意した。

 しかし、2010年9月に尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突した事件が発生し、時の民主党政府が対中弱腰政策をとったことから、これに味を占めた中国政府は、この合意の具体化に向けた交渉を無視している。

 日本政府は、今年の4月に行われた日中高級事務レベル海洋会議でこの2008年合意の順守を求めたが、歯牙にもかけられなかったのである。

 日本政府は、従来、日中間の排他的経済水域と大陸棚の境界は、尖閣諸島と中国大陸沿岸との中間線であると主張してきた。

 これに対して中国は、中国の大陸棚の外縁は東方へ中間線を越えた沖縄トラフであり、中国のEEZの外縁は、大陸棚の外縁と同じであると主張してきた。

 これに懸念を抱いた日本政府は、尖閣諸島周辺海域と日中間の中間線付近における中国船の動向に注意を喚起してきたのであった。

東シナ海における資源開発(2007年海上保安レポート)