「災害で停電になったら、テレワークはできないのでは?」

 ICTを活用し、時間や場所を有効活用できる働き方「テレワーク」。筆者は、講演などで「災害時の事業継続にも有効である」と語ってきた。そして、このような指摘があると、こう答えていた。

 「テレワークも、電気がないと難しいです。ただし、会社も自宅も長時間停電するケースは、東日本大震災のような大災害です。その場合は、さすがにテレワークどころではなく、家族や社員の人命が優先かと思います」

 会社も社員も物理的な被害がなく仕事が可能な状態で、広範囲・長時間に渡って停電が続く。そのような災害は、私自身、想定外だったのだ。

 しかし、それは、実際に発生した。

 筆者が経営するワイズスタッフ(奈良県生駒市と北海道北見市に拠点)は、先週、2つの大きな災害に見舞われた。

 9月4日(火)関西に上陸した台風21号と、9月6日(木)に北海道を突然襲った「北海道胆振東部地震」である。

 台風も地震も最も被害が大きかった地域とは離れていたため、直接的被害はほとんどなかった。しかし、最も大きな影響は、「北海道全域の停電」だった。

 「災害で停電になったら、テレワークは無力なのか?」

 弊社は長年テレワークを推進してきた。非常時だけでなく、いつでもテレワークができる。また、常時テレワークで働く社員もいるので、「テレワークという働き方なくしては成り立たない」と言っても過言ではない。