現在働き方の変化が求められている背景のひとつには、社会構造や仕事の種類が変わってきたことがあります。マニュアル通りに働くようなルーチンワークや単純労働の割合は減って、とくに成長している業界や会社では創造性を求められる仕事が増えてきています。

 創造性が必要な仕事に従事する人のマネジメントに、アメとムチを使った外発的動機付けに頼ったやり方は適していません。より多くの裁量を与え、本人のアイデアを尊重し、働きやすい環境を作って、自らの意思で働いてもらう方が高い生産性を発揮します。

 社内の情報や経営の考えをオープンにして、やっていいことを増やしていった結果、社員の一人ひとりが会社のことに興味を持ってくれるようになり、自ら考えて動けるようになりました。

 誰かに管理してもらうのではなく、セルフマネジメントができるようになるための第一歩は、情報をオープンにすることだったのです。

新しいテクノロジー前提の新しいマネジメントを

 情報伝達やコミュニケーションを人力だけに頼っていたのが、昔ながらのヒエラルキー型のマネジメントです。それは、テクノロジーが未発達であったので仕方ありません。自動車が誕生するまでは馬車を使うしかなかったようなものです。

 逆に言えば、今や、これまでのマネジメントの常識を覆すことができるようなテクノロジーが誕生しているにも関わらず、それらを活用しないのは、自動車の時代に馬車に乗っているようなものです。

 インターネット的な発想で発達したテクノロジーの特徴は、個人同士が直接つながれるようになること、物理的な制約を受けないこと、人海戦術に頼らなくてもスケールする(規模を拡大できる)ことです。

 社内の情報をオープンにし、経営と現場をダイレクトにつなぐことでフェアな関係をつくり、自律的に働ける環境を提供してセルフマネジメントで高い生産性を発揮する。今のテクノロジーを使えば、そんなことができるようになってきました。

 経営者にとってのマネジメントという業務も業務ハックによって改善できないか、考えてみてはいかがでしょうか。