米国の核戦略報告書は「見当違い」、中国が批判

中国北京の天安門広場で行われた軍事パレードに登場した対艦弾道ミサイル(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c) AFP/ANDY WONG〔AFPBB News

 シンガポールでの米朝首脳会談後の記者会見において、トランプ大統領は米韓合同軍事演習を取りやめる方針を公言した。それだけではなく、米韓合同軍事演習は挑発的であり金がかかりすぎるとまで言い切った。

大統領の発言に驚愕した国防総省

 突然トランプ大統領が表明したこの意向は、マティス長官が率いる国防総省にとっては、まさに寝耳に水であった。

 しかしながら、全米軍の最高指揮官である大統領が、国際社会の注視する米朝首脳の合同記者会見の席上で公言してしまったのだから、いわば国際公約的な決定事項である。そうである以上、国防総省としても尊重せざるを得なくなった。

 結局、毎年2回実施され続けてきた米韓合同軍事演習の1つで、来る8月に実施されることになっていた「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」が中止されることとなった。この合同演習では、金正恩をはじめとする北朝鮮首脳を一挙に葬り去る作戦の訓練なども行われるため、朝鮮半島の非核化に向けての米朝交渉が始まる時期には確かに“不適当”な演習と言わざるをえない。合同演習の一方当事者である米軍側が中止を通告した以上、韓国軍としてはどうしようもない決定であった。