子ども13人監禁・拷問、被害者らに養子縁組の申し出 米カリフォルニア

児童虐待は日本だけの問題ではない。写真は子供13人を監禁・拷問していた米カリフォルニア州の住宅。(2018年1月24日撮影)。(c)AFP PHOTO / FREDERIC J. BROWN〔AFPBB News

 6月6日、保護責任者遺棄致死の疑いで父親の船戸雄大(33)容疑者と母親の優里(25)容疑者が警視庁に逮捕された。

 容疑は長女の結愛(ゆあ、当時5歳)ちゃんに十分な食事を与えず暴行を加え、病院にも連れて行かず、3月初めに死亡させたというものである。

 もっと正確に言えば、平成28(2016)年12月、真冬に屋外に放置する虐待が発覚し、香川県の児童相談所(以下、児相)が一時保護した時が端緒である。

 その後の1年半における関係者や児相、最終的には東京都の対応が厳しく問われる問題である。

愛くるしい名前は何だったのか

 「結愛」という名前の由来は、生んだ両親しか正確には答えられない。しかし、その両親は保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕されている。両親もまだ答えていないので、勝手に想像するしかない。

 思うに愛の結晶という、紛れもない事実がもたらした命名であったことは確かであろう。

 そして、さらに深く考えをめぐらすと、誰よりも愛(いと)おしく育てるであろう父母に対し、大人になってから認識するに違いない感謝する心、立派に育ててくれたことに対する感謝愛があったかもしれない。

 当然のことながら、誰よりも幸せになってほしいと思う日々がある時点までは続いていたと思われるからである。

 そして生育の過程において友達と育むに違いない友人愛、さらには学校や社会でいろいろなことを教え学ばせてくれる先生や社会の人々に対する人間愛や社会愛も忘れないでほしいという願いも含まれていたかもしれない。

 万一、感謝愛や友人愛、そして人間愛や社会愛などまでは考慮していなかったとしても、自分たち2人が結んだ愛と同じように、成人した後は立派な人間となって独り立ちし、愛する人と結ばれてほしいという願いは自分たちの合わせ鏡のように映っていたかもしれない。

 いずれにしても、結愛ちゃんの名前には考えうる限りの「愛」が、そして両親にとっては天空を駆け巡る無限の夢が含まれていたのではないだろうか。