中国・上海の玩具店(筆者撮影)

 市場データ分析サイトの中国産業信息網によると、2016年における中国の玩具市場規模は104.41憶米ドル(約1.14兆円)に達していたことが分かりました。同年の日本の玩具市場規模は、玩具全般が8031憶円、主要10品目が5158憶円(一般社団法人日本玩具協会発表)でした。中国の市場規模はこれらと比較すると、それぞれ1.4倍、2.2倍に達することとなります。

 かつては玩具の“生産国”としての位置づけが強かった中国ですが、今や米国に次ぐ世界第2位の消費市場となっています。日本の玩具市場はこのところ横ばい傾向が続いていますが、日本の玩具メーカーにとって中国は有望な成長市場と言うことができるでしょう。そこで今回は、日本では意外と取り上げられる機会が少ない中国の玩具市場について紹介したいと思います。

生産大国から消費大国へ

 改革開放政策が始まった1970年代より、中国において玩具産業は一貫して重要な産業としての地位を占めてきました。

 消費者が子供のために単価を引き上げづらい玩具は、安価な労働力を提供する中国の国情とマッチし、早くから中国の主力輸出産業になってきました。

 浙江省・義烏市が世界最大の玩具の卸売市場となったのも、こうした流れによるものです。浙江省義烏市では毎年夏から秋にかけて、世界中のバイヤーが集まってクリスマス商戦向け玩具取引が行われます。

 そんな玩具生産大国の中国が、いつのまにか消費大国としての側面も持ち合わせるようになりました。現在は既に米国に次ぐ世界第2位の玩具市場となっています。

主要5カ国の玩具市場データ

 2009年から2016年にかけての年間複合成長率は10.45%と急成長が続いており、今後も市場規模の拡大は続くと予想されています。

中国玩具市場の規模推移(2018年以降は予測)