1.就職難に喘ぐ若者たち

就活だ!都内で「就職出陣式」

専門学校生の就職出陣式。今年は昨年以上に厳しい〔AFPBB News

 景気が思うように回復しない中で若者は就職難に喘いでいる。大学は卒業したものの就職先が見つからず、留年して翌年の就職に再チャレンジする者もいるという。

 少子化と高齢化というダブルパンチが同時に押し寄せる厳しい時代に、日本の将来を担う人材としての若者が職に就けず貴重な時間を浪費する。

 このことは本人はもとより、国家としても大きな損失と言わねばならない。

 雇用環境を見ると今後企業のグローバル化は一層進んでいくだろうし、海外進出企業は既に採用しているが、国内企業も有能な外国人(特に若者)の採用数を増加する傾向にあり、この先景気が回復しても日本の若者にとって簡単に就職環境が改善されるとは思われない。

 加えて日本の若者は、この住みやすい日本(将来どうなるか分からないが)から外に出て新しいことにチャレンジしようという気概が以前に比し低下してきており、グローバル化の流れに全く逆行している。

 お隣の韓国は、国内だけでの努力では発展に限界があるとして、早くから海外に目を向け留学や海外企業への就職を積極的に行い、一流の最先端分野で経験を積み、その一部が母国に帰り国内企業発展の大きな原動力となっている。

 一方、日本はバブルが崩壊してからの20年、かつての成功方程式の幻想や既得権の呪縛から抜け出せず、抜本的な改革の手が打てずに、ずるずるとここまでやって来た感がある。そのため世界の流れから周回遅れという評価もあるくらいだ。

 自衛隊OBである筆者がここで景気回復の手をどうすべきだと述べる資格も能力もないので、政府の景気回復や雇用拡大施策を待つしかないが、その成果が表れるまでは当分時間がかかりそうであるし、このような状況は常態化することも考えられる。

 従ってこのように就職したくてもできない意欲的な若者に対し、無駄に時間を費やさせずに自衛隊を活用して、日本再生の原動力として期待すべく若者世代に不足するものを補って世に送り出す方法はないものだろうかとの提案である。