ロシアの河川変色、汚染物質漏出の金属大手に少額罰金

ロシア極北ノリリスク市周辺を流れる、真っ赤に染まったダルディカン川(2016年9月8日撮影)。ノリニッケル社の工場から出た廃液が原因とされる(c)AFP/GREENPEACE/Liza UDILOVA〔AFPBB News

 ロシアを代表する新興財閥の利害対立が再燃している。長期にわたって対立が続いてきたものの6年前にいったんは収束。しかし、ここにきて再び激しく燃え盛っているのだ。

 ある企業の経営権を巡る争いが、命がけのゲーム、ロシアンルーレットになぞらえられるほどにエスカレートし始めたとまでロシアの経済界では言われる。何が起きているのか。

対立の舞台と主要登場人物

 舞台は、JBpressでも先週取り上げられたロシアのニッケル大手で世界第2位のニッケル生産企業のノリリスクニッケル社(通称ノリニッケル)である。

 当事者はロシアの大富豪リスト上位の常連である新興実業家のオレグ・デリパスカ氏とウラジーミル・ポターニン氏。そこに第3の登場人物として、英プレミアリーグのチェルシーのオーナーとしても知られるロマン・アブラモービッチ氏が加わる。

 3人ともボリス・エリツィン大統領時代に台頭した新興実業家であるが、ウラジーミル・プーチン大統領とも悪くない関係を保っている。

 ポターニン氏は1990年代の民営化政策に深く携わった元祖オリガルヒの1人で、ノリニッケル社を成長させ長年同社を支配している。

 デリパスカ氏は、ロシアのアルミ大手ルサール社を発展させ、「カイゼン」に傾倒すると言われるアルミ王である。

 ポターニン氏はノリニッケル社の約30%を保有し、デリパスカ氏のルサール社が28%弱を保有している。

 この大株主同士が、ノリニッケル社の経営戦略や企業統治を巡って対立しているのだ。