平和共存が長く続けば、北の約35倍のGDP(国内総生産)と2倍の人口を有する、自由で国際社会に対し開かれた韓国が、長期的な経済建設、社会の発展、外交戦でも勝利する可能性が高い。

 核ミサイルによる恫喝という優位性を失った貧しい独裁体制の北朝鮮は、いずれ内部から変質し自己崩壊を起こし、南主導の半島統一が実現する可能性が高まるであろう。

 ただし、韓国がSSBNを建造・配備し実戦化するまでには5~10年程度を要するとみられる。それまでの間の対北核抑止力維持のために、米国の核巡航ミサイル、地上配備核弾道ミサイルなど、米国の核兵器の再配備による抑止力再強化も必要になるであろう。

 ただし米国の核戦力の再配備が長期恒常化した場合は、韓国のナショナリズムを掻き立て、反米親北勢力を勢いづかせて韓国の政治的安定性が損なわれ、北主導の政治統合が進む恐れが高まる。

 米国の核戦力再配備は、あくまでも韓国独自核保有までの暫定措置として位置づけるのが望ましい。

 以上のような判断に立ち、北朝鮮が水爆とみられる6度目の核実験に成功した昨年9月以降米トランプ政権は、韓国のSSBNとSLBMの保有容認の方向に踏み切ったとみられる。

 韓国紙『中央日報』2017年11月9日付は、昨年9月の米韓の電話首脳会談で、トランプ大統領が、韓国の原潜建造に原則同意したと報じている。

 さらに、昨年11月のトランプ大統領訪韓時の米韓首脳会談で米国は、弾道ミサイルの射程と弾頭重量について韓国に課してきた制限を取り払い、原潜の建造も容認している。

 左派の親北政権とみられている文在寅政権下でも、韓国の国防費は保守政権下の年率5%から2018年度は7%の増額に踏み切るなど、国防努力に拍車をかけている。

 韓国の計画では、2025年頃には射程1000キロ以上の弾道ミサイルを搭載した通常動力型大型潜水艦が建造される予定である。