DJIのドローン「Phontom 4 Pro」(資料写真、DJIの紹介動画より、出所:YouTube

 パソコン、スマホに続くIT関連製品の成長分野として、近年「ドローン」が注目を浴びています。

 ただし、ビジネスにおける実際の用途は、いまだ空中撮影(空撮)にほぼ限定されており、用途の拡大が今後の発展への大きな課題となっています。

2015~2020年の中国における民生用ドローンの市場規模推移

 こうした状況に対して、ドローン業界では新たな用途の開拓が進められています。中でも近年注目されつつあるのが農業用ドローンです。

 世界に出回っているドローンの9割以上を製造し、名実ともに市場の覇権を握る中国ドローンメーカーも、農業分野に乗り出そうとしています。その有望な市場として日本に目を向けるメーカーも出てきました。

 今回は、中国メーカーが牽引する世界のドローン市場の現況と展望について紹介していきたいと思います。

ドローンの世界王者、深セン市の「DJI」

 各シンクタンクによって数字は少し異なりますが、各種の調査によって、ドローン市場の世界シェアにおいて中国が9割超を占めるという状況が示されています。