ブルーインパルスによる展示飛行は航空観閲式の目玉である(資料写真)

 10月29日に開催される予定だった3年に1度の航空自衛隊のビッグイベント「航空観閲式」が荒天のため中止となった。これは現場の負担を思えば、誠に慶賀すべきことである。なぜならば、航空観閲式は首都の防空を預かる航空団に多大な負担を与えているうえ、いくつもの不祥事を抱えているからだ。

 筆者はこれまで陸自の総合火力演習や観閲式をたびたび批判してきたが、実は航空自衛隊も同様である。航空自衛隊が開催する航空観閲式も、内外から懸念の声が上がっている。

自衛隊で連続する死亡事故

 というのは、今や自衛隊の疲弊は明らかだからだ。近年の事故や殉職者数の異常な数を見ればそれは明らかである。まずは、ここ10年の殉職隊員追悼式で追悼された隊員の人数を見てみよう。

殉職隊員追悼式で追悼された隊員の人数

 また、三自衛隊の航空機事故もここ5年で激しいものとなっている。2013年は0件、2014年は1件、2015年は4件、2016年は1件、2017年は5件と急増しているのだ。これは墜落するような事故だが、重大事故に至らないインシデントも今年の空自では頻発している。