ブラックフライデー、英国にも波及 アマゾン倉庫は大忙し

英ロンドン北郊ヘメル・ヘムステッドにあるインターネット小売り大手アマゾン英国法人(Amazon.co.uk)の物流倉庫で、注文商品を探すスタッフ(2015年11月25日撮影)。(c)AFP/ADRIAN DENNIS〔AFPBB News

 米アマゾン・ドットコムはこのほど、北米に新たな事業拠点となる「第2本社」を建設すると発表した。同社の本社は創業以来、米ワシントン州シアトルにある。だが、今後、この本社を残しながら、新たに同規模のもう1つの本社「HQ2」をシアトル以外に建設するという。

20年間で50億ドル投じる計画

 その投資額は今後20年間で50億ドル(約5400億円)。とは言ってもまだ、建設地は決まっていない。アマゾンはまず、北米の州や自治体を対象に候補地を募る。今年10月19日までに提案書を受け付け、来年、建設地を選定する。そして2019年にはこの新社屋を開設したい考えだ。

 候補地の必須条件は、「人口100万人以上の都市圏」「優秀な技術人材を引き付け、保持することができる都市やその周辺」、などとしている。アマゾンはこの第2本社で、新たに5万人を新規採用する計画だからだ。

 この5万人とは、シアトル本社の従業員数である約4万人を上回る数。これに伴い、第2本社もシアトルと同じ規模か、それ以上のものが必要になるということのようだ。

自治体は経済効果に期待

 同社が公開した資料によると、シアトル本社には、その周辺の施設も含め、合計33棟のビルがある。これらの総面積は810万平方フィート(約75万2500平方メートル)と、東京ドーム16個分。

 その2010~2017年の設備投資額は、37億ドル。同じ期間に従業員に支払った報酬総額は257億ドル。さらに地域経済にもたらした間接投資額は380億ドル(2010~2016年)になる。地域にとって、その経済効果は大いに期待できるため、今後、州や自治体による誘致合戦が激化しそうだ。