米ウォールストリート・ジャーナルが12月18日付の記事で「スマートフォンをほどあなたを監視しているものはない」と報じており話題になっている。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やゲーム、ビジネス、電子書籍、定期購読の雑誌やニュースなど、スマートフォンに様々なサービスや機能を追加できるアプリが人気を博しているが、その多くがユーザーの許可を得ないまま、個人情報を第三者に渡しているというのだ。
端末の識別番号や位置情報などを広告会社に提供
同紙は米アップルの「アイフォーン(iPhone)」と米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」端末向けの人気アプリ合計約100本を調査した。
それによると、それらのアプリは、電話番号や、端末固有の識別番号、ユーザーの位置情報、個人名、性別、年齢といった情報を勝手に外部の業者に送信していることが分かったという。
このうち56のアプリが端末識別番号を、47のアプリが位置情報を、5つのアプリが年齢や性別などの個人情報を広告会社などに提供していた。
最も多く情報を提供していたのは「テキストプラス(TextPlus) 4」というテキストメッセージのアイフォーン版アプリで、端末の識別番号を8つの広告会社に、ユーザーの年齢、性別といった個人情報をそのうちの2社に送っていた。
また「パンドラ(Pandora)」と呼ぶ音楽サービスアプリはアイフォーン版、アンドロイド版ともに端末識別番号や個人情報、位置情報を複数の広告ネットワークに送信。
「ペイパー・トス(Paper Toss)」というゲームアプリは少なくとも5社の広告会社に端末識別番号を送信していたとしている。
「モバイルの世界では匿名性というものが存在しない。我々は常にスマートフォンを携帯しており、そのスイッチは常に入ったままだ」と同紙は指摘している。