青森県津軽地方の地吹雪体験ツアーは、台湾やハワイなど雪の降らない国・地域の人々に大人気だ(写真はイメージ)

 インバウンド拡大を促進する日本であるが、対総人口比において世界で最も訪日率が高いのは台湾・香港である。総人口の実に2割が日本を訪れており、しかも8割以上がリピーターだ。

 この訪日観光構造を構築した立役者こそが、ジーリーメディアグループ(吉日媒體集團)代表取締役・吉田晧一氏(35歳)である。同社は2013年創業で台北と東京に本社を置き、台湾No.1の訪日観光情報サイト「ラーチーゴー!日本」などを運営する。

 ラーチーゴーの登場の影響もあり、それまで団体旅行中心だった台湾・香港の訪日観光構造は、個人旅行中心へと変容し、今では個人旅行が全体の7割を超える。

 ラーチーゴーでは台湾・香港人の女性ライターたち(20~34歳のF1層)が自ら日本各地を取材し、台湾・香港人目線からの日本情報を発信し続けている。台湾・香港からの訪日観光客全体(610万人)の中で、ラーチーゴーの情報を参考にして日本観光のプランを立てる人の比率は4割に達するという。彼らの中心は、ラーチーゴーのライターたちと同じF1層とされる。

 今回は、そんな同社から見た日本のインバウンドの在り方についての問題意識を訊く。

(前編はこちら)「“おらが村の自慢”に訪日旅行客は飛びつかない」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50930

「ラーチーゴー!日本」の画面
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