第1に話し合い解決論は、できれば最良であり最大限の努力が必要であるが、それが成立する保証はほとんどない。

 なぜなら、北朝鮮の指導者は米本国を攻撃できる核ミサイルを保有して相互抑止を成立させ対米対等の地位を築くことこそが唯一体制維持できる手段と信じているからだ。そのためにはあらゆることを犠牲にし国際法を犯すことも厭わない。

 これは国連安保理が核ミサイル開発中止放棄を何回決議し、経済制裁を加えても屈せず、中国が議長国の6カ国協議は何回会議を重ねても実効を上げられないのを見れば明らかだ。

 しかもその中国は、北朝鮮の存続を自国の国家安全保障上の核心的国益(緩衝地帯確保など)と考え、北の暴発は許さないが破滅だけは絶対に回避しようとしている。

平和的解決を訴える中国の本音

 トランプ大統領の何を決断するか分からない手法を懸念し、表向きには米国との同調のポーズを示している。

 しかし、過日の米中直接・電話首脳会談で、トランプ米大統領が「中国が有効な対北手段を講じなければ米国は独自な行動をとる」と迫ったのに対し、習近平主席は都合悪い懸案では臆面もなく「国際関係を緊張させるより話し合いによる平和的解決が重要だ」と応じている。

 南・東シナ海事案などでは国際法を無視し話し合いを拒否し力で露骨に行動している中国が、このように平和的解決を持ち出すあたり、裏でどんな巧妙な手段を講じているか分からないものがある。

 第2にサイバー攻撃は有効な手段だが。成果の確証がない。

 一方、核武装論はトランプ大統領も言及し、政府も憲法上それを一切認めないわけではないとされるから理論上は成立しよう。

 さらに沖縄返還時の有事持込みの佐藤(栄作元首相)密約もあるし、米国はあらゆる手段で日本を防衛するとしているので、核をめぐる論議は真剣な考慮の対象にはなり得るではあろう。しかし現実的とは言えず、また早急には実現できない。