北朝鮮の核ミサイルは堅固な洞窟や地下に隠匿され、装軌車でどこにでも移動できるし、k至短時間(固形燃料で準備所要時間10分程度)に発射可能で、これを発見し発射前に攻撃破壊することは、米国のような衛星を含む偵察警戒監視システムと各種の攻撃手段を整備していてもほとんど不可能である。

 またイージス艦搭載ミサイル(SM-3)、THAADミサイル(Terminal High Altitude Area Defense=終末高高度防衛ミサイル)、GBI(Ground Based Interceptor)ミサイル、 PAC(パトリオット)ミサイルをいくら整備しても、10分内外の交戦可能時間でしかもその飽和攻撃に有効に対抗できない。

 また北朝鮮が実験に成功したとされるSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)への対処は至難である。

専守防衛と抑止戦略の矛盾

 こうした状況から、北朝鮮の脅威に対しては話し合いにしか道はないとする意見が支配的である。

 一方、最近の発展目覚ましいサイバー手段によれば軽負担で随時迅速に核ミサイル攻撃部隊の指揮統制情報システムやこれを指導する国家軍事組織の指令系統を麻痺し機能を喪失させることができ、彼我の人的物的被害を極小にとどめ得る最良な手段だと主張する人もいる。

 これに対しても、目に見える致命的報復能力の保有こそが彼らの意図を最も確実に抑止できるとし、その最たるものには核武装によって対抗するべきとする核武装論まであり、その意見集約は難しい。

 加えて政府は従来から憲法上、自衛権の発動条件を厳しく縛り、防衛政策の基本に国際的非常識な専守防衛を掲げてきたから、それとの整合を図らなければならない。

 本来専守防衛と抑止戦略の両者は矛盾的概念である。抑止をよく図ろうとすれば専守防衛がこれを妨げ、専守防衛を貫こうとすれば抑止が機能しない。

 このためこの両防衛基本方針の矛盾を決着しない限り、国防上最も難しい対核ミサイル防衛の方策を確立することはできない。

 これに関する筆者の意見はこうだ。