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【連載第4回】

 鞄や家具などのものづくり、ファッションやオペラなどの文化。歴史的建造物が連なる町並みや穏やかな農村。国のいたるところに文化と産業が息づく町があるイタリア。国家財政・社会情勢が悪化する中、なぜイタリアの地方都市は活気に満ちているのか。イタリアに日本の課題「地方創生」解決のヒントを探る。

(前回の記事「イタリアで箱詰めさえすればOK。最強ブランド『Made in Italy』の定義」はこちら

イタリアのブランドが持つ「デザインの根幹にある哲学と美意識」

やかんの存在意義とは? まで掘り下げる

 なぜイタリアのブランドは、これほどの力を持てるのでしょうか。そこには、日本とは本質的に異なる、イタリアならではのデザインに対する考え方が関係しているようです。

 図-16をご覧ください。左に示したものが、デザインというものに対する、イタリアおよび日本企業の考え方の違いです。

 日本ではデザインを考える際にまず、会社の方針、コスト、売れ筋…と、いわゆる商品計画が重要視される傾向にあります。

 一方、イタリアは、デザインを深く、非常に哲学的に捉えているのが特徴です。やかんのデザインを考えるとするならば、「やかんの存在意義とは?」というところまで掘り下げ、実用性と「美」を追求し、考え抜くのがイタリア流です。