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【連載第3回】

 鞄や家具などのものづくり、ファッションやオペラなどの文化。歴史的建造物が連なる町並みや穏やかな農村。国のいたるところに文化と産業が息づく町があるイタリア。国家財政・社会情勢が悪化する中、なぜイタリアの地方都市は活気に満ちているのか。イタリアに日本の課題「地方創生」解決のヒントを探る。

(前回の記事「エルメスだけ、フェラガモだけの町。イタリアに学ぶ強い地方の作り方」はこちら

イタリアの輸出入の現状

地方都市の産業が輸出に貢献

 政府がさまざまな問題を抱える一方で、自前の産業を持ち経済的に自立しているイタリアの1500の町。それらの町の産業は、イタリアの貿易を支える柱となっています。

 図-10の左側をご覧ください。イタリアの地場産業である家具、眼鏡の貿易額を見ると、欧州市場の低迷などの影響で右肩上がりとは行きませんが、一定の規模の輸出額を維持していることがわかります。

 一方、日本は家具に関しては完全なる輸入国です。

 また、眼鏡はかつて輸出が強かったのですが、日本人が外国製のフレームを好むようになったこともあり、近年いよいよ輸出入が逆転しました。

 その輸入した眼鏡フレームの生産地が実は日本の福井県鯖江市であったりするのが、実に皮肉です。

 同図の右側では、どの産地のどの品目の輸出がどれだけ成長しているのかを前年比(2012年)で示したものです。これだけたくさんの地場産業が好調に輸出を伸ばしているのが、イタリアの貿易の現状です。