いよいよプーチン大統領が来日する。懸案の日露平和条約・領土交渉のみならず、12月16日、東京では日露両国の経済人による「日露ビジネス対話」会合が開催される。
日本のメディアでは会合で発表されるであろう経済協力案件が毎日のように報道されており、日露経済関係者の間では大きな期待が盛り上がっている。
さらにタイミング良く日露両国の株式市場(日経平均株価、MICEX)も好調である。
リーマンショック前のピークを更新中
もちろんこれは日露関係の改善を反映したものではないが、日経平均株価は年初来高値を更新、ロシアのルーブル建てMICEX指数は2008年のリーマンショック前のピークを更新して既往最高値圏にある。両国の関係者は益々意気軒高であろう。
こうしたなか、筆者が注目しているのは毎月初に発表されるロシアのPMI指数である。
PMI(Purchsing Managers Index:購買担当者指数 )とは、景気の先行指標の1つで製造業とサービス業の購買担当者に対して生産量、新規受注量、出荷価格、仕入価格、残業時間、雇用環境などの項目をアンケートし指標化したものである。
50を上回れば先行き改善、50を下回れば先行き悪化となる。ロシアに関しては英国の金融情報会社IHS Markit社が公表しているものが信頼性・速報性で優れており、金融市場では一般的である。
ロシアのPMI指数の動きを見ると、製造業PMIは今年の8月から、サービス業PMIは同じく2月から50ポイントを上回って推移している。そこで、これらのPMIと実体経済の推移を並べてみたのが次のグラフである。
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