再び沸き起こるピークオイル論で原油価格暴落

再生可能エネルギー、電気自動車分野の技術革新で石油需要が減少?

2016.11.04(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48298
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第23回世界エネルギー会議(WEC)が開催されたトルコ・イスタンブール(資料写真)

 10月31日の米WTI原油価格は1バレル=46ドル台と大幅に下落し、1カ月ぶりの安値を付けた。11月2日には、アメリカの原油在庫が過去最大の増加(約1440万バレル)となったことから、WTI原油価格は一時44ドルに下落した。

 10月28日のOPEC会合で、イランとイラクが生産枠の設定に使用されているデータに異議を唱えたため、9月に暫定合意した減産に関する具体的な協議が進まなかった。翌29日の非OPEC産油国(アゼルバイジャン、ブラジル、カザフスタン、メキシコ、オマーン、ロシア)との会合でも、「11月30日のOPEC総会前に再び話し合いの場を設ける」ことだけの合意だったため、減産の実現に懐疑的な見方が一気に広まった。

 ロイターによれば、10月のOPEC原油生産量は日量平均3382万バレルと前月に比べて同13万バレル増加し、過去最高を更新した。OPECが9月末に合意した日量平均3250~3300万バレルの目標を達成するためには80万バレル以上減産しなければならない状況になっている。

 イランとイラクが減産に応じないことに加え、ロシアも他国に減産を呼びかける一方で、旧ソ連崩壊後としては最高水準の原油生産にブレーキをかける姿勢を見せていない。このままではサウジアラビアが単独で日量80万バレル以上の減産分を引き受けない限り、その達成は不可能な状況になりつつある。しかし、深刻な財政赤字に苦しみ、イランの勢力拡大を問題視する現在のサウジアラビア政府が「英断」を下すとは思えない。

石油需要は2030年がピーク?

 現在の供給過剰問題は供給面からの議論がもっぱらだが、需要面の懸念も見逃せない。

 OPECによれば、今年の原油需要は日量9440万バレルと昨年に比べて約120万バレル増加する見込みである。原油価格が低位安定しているにもかかわらず、伸び幅は昨年より約50万バレル減少している。来年の伸び幅は約100万バレルと、さらに減速するとされている。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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