海外のメディアや通信社の報道によると、米アマゾン・ドットコムは10月28日に中国で有料会員プログラム「Prime」を開始した。
アマゾンの中国版ウェブサイトを見ると、確かにPrimeに関する説明がある。
中国版Primeは配送特典のみ
これによると、中国におけるPrimeの年会費は388元(約57米ドル、約6000円)で、米国の年会費である99ドルより安く、日本の年会費である3900円よりも高い。
ただし来年の2月末までは期間限定で年会費が188元(約28米ドル、約2900円)になるキャンペーンを実施しているようだ。
現在のところ、中国版Primeは2つの会員特典がある。1つは約900万点の国内商品の配送サービスが使い放題になる特典。もう1つは400万点の外国商品の配送サービスが使い放題になる特典。
ただし後者の場合は、1回の注文金額を200元(約30米ドル)以上にする必要があり、配達されるまでの日数は5~9日かかる。ところが中国では国の規制があり、海外の商品をネットで購入する際は1回の取引額が2000元(295米ドル)までとなる。
さらに、その年間購入金額は2万元までという制限があり、同国のアマゾンの顧客もこうした規則を守る必要がある。
一方でアマゾンは、米国や日本のPrimeで、映画の見放題、音楽の聴き放題サービス、電子書籍の無料レンタルサービスを提供しているが、中国版Primeでは今のところこうしたデジタルコンテンツの配信特典はない。
アマゾンは中国市場で苦戦
アマゾンが中国市場に進出したのは今から10年以上前。当初は2004年に買収したJoyo.com(卓越網)との共同ブランドで事業を展開していたが、2011年に自社ブランドのAmazon.cn(亞馬遜)を立ち上げ、本格的にeコマース事業を始めた。
しかし、米リコードによると、同国ではアリババグループ(阿里巴巴集団)がこの分野で市場を支配している。最近はJD.com(京東商城)も台頭し、アマゾンの同国におけるシェアはわずか1~3%にとどまっている。