米国の市場調査会社、ガートナーがこのほどまとめた最新リポートによると、音声アシスタント機能を搭載したスピーカーの市場は、その規模が昨年実績の3億6000万ドル(約367億円)から、2020年には21億ドル(約2142億円)にまで拡大するという。
その頃には世界全体で3.3%の世帯がこうした機器を所有するようになると、同社は予測している。
アマゾンに支えられた昨年のVPA市場
AI(人工知能)を使った音声アシスタントサービスには、米アマゾン・ドットコムの「Alexa」などがあり、それを利用できるスピーカー型機器には同じくアマゾンの「Amazon Echo」とその姉妹製品「Echo Dot」「Amazon Tap」がある。
アマゾンのAlexaでは、音楽を流したり、ニュースや天気予報を聞いたり、電子書籍を朗読させたり、アマゾンでショッピングしたり、といったことができ、すでにAlexaに対応した外部企業のサービスも多数用意されている。
これにより銀行口座の残高を確認したり、宅配ピザを注文したり、配車サービスを依頼したりすることができる。
ガートナーはこうした音声アシスタントサービスを「VPA(virtual personal assistant)」と呼んでいる。またそれに対応したスピーカー型機器を「VPA対応スピーカー」と呼び、この市場を分析している。
ただ、同社によると、この市場はまだ本格的に開花しておらず、昨年のVPA対応スピーカー市場の規模は、Amazon Echoの販売額とほぼ同じにとどまった。