米アップルがスマートフォンの技術で特許を侵害されたとして米モトローラを訴えたと米欧のメディアが伝えている。
アップルが問題としているのは、モトローラのスマートフォン本体と基本ソフト(OS)。これらにアップルの特許が無断で使用されているとして、ウィスコンシン州の連邦地裁に提訴した。
iPhoneとAndroidの対立深まる
スマートフォン関連の特許を巡っては、モトローラがアップルを訴えており、そのモトローラは米マイクロソフトに訴えられている。またアップルは米グーグルのモバイルOS「アンドロイド(Android)」搭載端末を開発、製造している台湾HTCを訴えている。
米オラクルも、同社が買収したサン・マイクロシステムズのプログラミング言語「ジャバ(Java)」の特許をグーグルのアンドロイドに侵害されたとして訴えている。そしてアップルはフィンランド・ノキアとも訴訟合戦を繰り広げている。
泥沼の法廷闘争に発展しているスマートフォン業界だが、これはアップルの「アイフォーン(iPhone)」とグーグルのアンドロイド搭載端末の間で対立が深まっていることを示していると米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
18日、決算発表に登場したアップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が、ライバル端末批判の矛先をアンドロイド端末に向けて持論を展開するなど物議を醸したが、それも各社の競争がいかに熾烈なものであるかを如実に示していると記事は伝えている。
業界の取り組み機能せず
また英フィナンシャル・タイムズは、「スマートフォンは従来の携帯電話とは異なり、高度なコンピューティングの分野で各社の技術が似てしまう傾向にある」と指摘している。
また携帯電話業界は特許管理組織をつくってクロスライセンス契約を結んでいるが、アップルのようなハイテク企業には携帯電話の特許が少なく、その代わりコンピューター関連の特許を多く持っている。