米マイクロソフトが10月28日に発表した7~9月期の決算は、売上高が162億ドルで1年前に比べて25%増加し、7~9月期としては過去最高となった。純利益は54億1000万ドルで1年前から51%増加。これで4四半期連続して増収増益となった。
好業績を支えたのはなんと言ってもパソコン向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」。同事業部門の売り上げは47億8500万ドルと前年から66%増えている。
また6月に一般向けに発売した業務用ソフトの「オフィス2010」も好調で、同部門の売り上げはウィンドウズ部門を上回る51億2600万ドル。これらに次ぐのがサーバー部門でその売り上げは39億5900万ドルとなった。
「マイクロソフトは老舗ブランドで支えられている」
この「ウィンドウズ」「オフィス」「サーバー」がマイクロソフトの主力3事業となっており、同社の全売り上げの8割超を占めているのだが、この決算発表を受けて米ウォールストリート・ジャーナルは次のように指摘している。
「2つの老舗ブランド製品が依然高い利益を生んでいる。米グーグルや米アップルはいまだマイクロソフトのドル箱に大きな打撃を与えられないようだ」
「しかし果たしてモバイルやタブレットといった成長著しい市場でマイクロソフトは成功できるのだろうか、今回の決算はそんな疑問を投げかけた」
例えばアップルの同じ期間の売上高は、203億4000万ドルとマイクロソフトを上回ったのだが、純利益は43億1000ドルで下回っている。
記事はこうしたライバル企業の業績がマイクロソフトのそれをいまだ上回らないことを言っている。一方でマイクロソフトの収益構造が依然変わらないことが明らかになったと指摘している。
例えばアップルにはほんの数年前まで存在しなかった事業がある。「アイフォーン(iPhone)」や「アイパッド(iPad)」だ。しかし、それが今では同社を牽引している。