米アマゾン・ドットコムが電子書籍リーダー「キンドル(Kindle)」に、書籍コンテンツを一定期間ほかのユーザーに貸し出せる機能を追加すると発表した。具体的なサービス開始時期は明らかにしていないが、年内にも始めたいとしている。
ユーザーが購入したコンテンツを最大14日間、友人などほかのユーザーのキンドル端末やアイフォーン(iPhone)などのキンドル用モバイルアプリで読めるようにするというもので、貸し出している間は自分の端末では読めなくなる。
バーンズ&ノーブルとの競争さらに激しく
この新機能、同社のライバルである米書店チェーン最大手バーンズ&ノーブルの書籍端末「ヌック(NOOK)」が売りにしている機能と同じになる。アマゾンのサービスもヌック同様、対象となるのは一部の書籍に限られる。
こうしたサービスの主導権は小売業者ではなく著作権者が握っているようで、アマゾンは「どの書籍が対象になるかは、すべて出版社や著作権者の判断に委ねられる」と説明している。
多くの書籍でこの新サービスを提供するのは難しそうだが、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)はかねて、「ヌックの貸し出し機能は対象書籍が少なすぎる」と批判していたことから、アマゾンには出版社との協議で何らかの進展があったのかもしれない。
これでキンドルとヌックの機能差はさらに減り、両社の市場競争はさらに激化しそうだ。アマゾンとバーンズ&ノーブルは熾烈な製品競争を繰り広げていた。
今年6月、バーンズ&ノーブルがヌックを従来の259ドルから199ドルに値下げすると発表したのを受け、アマゾンは即座に対抗。わずか数時間後にキンドルの廉価版を従来のヌックよりも10ドル安くすると発表した。