フランスの「労働改定法案」(従業員に極めて有利に定められている現行の労働法を改定しようという法案)への反対運動は過激さを増し、製油所や原子力発電所でのスト決行や、デモ隊によるパトカー襲撃などまで発生している。
(前回の記事)「パリは騒然、フランスの労働者が労働法改正に激怒」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46836)
十数カ所の製油所がストを決行し、最大の石油輸入港である仏北部ルアール港の荷揚げ組合もストに突入。その結果、ガソリンスタンドがガソリン不足に陥り、パリを中心に休業中のスタンドが約3500店に上った。
「ガソリンあります」の看板を掲げる店には長蛇の列ができ、店によっては「小型車は20~30リットル、大型車は40~50リットル、補給用容器への販売はなし」といった厳しい条件も課している。
それを受けてオランド大統領は5月25日、「フランス人が補給するガソリンは保障する」と宣言し、政府はイラク戦争中(2004年)でも滅多に実施しなかった石油備蓄の3日分の放出を決定した。
パリ郊外ノージャン・シュール・セーヌの原発では、従業員組合が5月25日にスト突入を決議。首都圏の電力不足が危惧されている。