10月に入ってタバコが大幅に値上げとなり、これを機に禁煙を決め込んだ人も多いようだが、ニコチン中毒から脱するために医療機関を受診する者が激増、禁煙補助薬が需要に追いつかない状況が続いている。

サンフランシスコでは喫煙巡り殴り合いの喧嘩に

禁煙中のオバマ氏「つい手を出すことも&」、米テレビで告白

アメリカは嫌煙権運動の先進国〔AFPBB News

 薬などに頼らず禁煙が成功すればベストだが、嫌煙の意思をはっきりと示さない日本人の遠慮深さに甘えている喫煙者には、禁煙しなければならない、という切迫感が欠けているためなかなかうまくいかないようだ。

 しかし米国ではそうはならない。よく交通事故に遭ったら、自分が悪いと分かっていても絶対に謝るな、と言うが、嫌煙権を主張する者は近くでタバコを吸うことなど決して許しはしない。

 まだステロイド使用疑惑などなく英雄扱いだったホームラン王、バリー・ボンズ外野手のパワーあふれるプレー見たさに訪れた米国サンフランシスコ、キャンドルスティック・パークでのこと。

 喫煙コーナー以外では禁煙となっている野球場で、試合の最中にタバコを吸った男がいて、隣の男と一悶着。

 日本だったら、ヤクザでもない限り「すまない」の一声で終わってしまうが、しまいには2~3人を巻き込んで取っ組み合いの喧嘩である。

 試合がサンフランシスコ・ジャイアンツ対ロサンゼルス・ドジャースという「カリフォルニア・ダービー」で、地域対抗意識の強いファン同士だったこともあるのだが、「タバコぐらいでようやるわ」と思ったものである。

日本と米国では麻薬に対するアレルギー度が全く異なる

 それが麻薬に対するスタンスとなると、また違ったものになってくる。

 日本では麻薬に手を出すと、特に芸能人など、相当悪質な犯罪者扱いされることになるが、麻薬中毒者がウヨウヨいる米国では、報道されたとしても交通事故とさして変わらない扱いとなる。

 逆に芸能人で麻薬と無縁の者を見つけることの方が難しいぐらいで、麻薬使用ということが大した問題だとは認識していないようにさえ思える。

 先日、あのホテル王ヒルトン一族のお騒がせ娘パリス・ヒルトンが、コカイン所持で有罪判決を受けた翌日、日本までノコノコやって来て入国拒否されたのがいい例である。