いまだに胃内視鏡検査を選べない「胃がん検診」は時代遅れ?(写真はイメージ)

 今から遡ること1年前の2015年4月、国立がん研究センターは「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン 2014年度版」を発表しました。

 この改定の一番のポイントは、ようやく胃内視鏡検査が「胃がん検診として有効である」と認められたことです。同時に、「検診対象は50歳以上、なおかつ検診間隔は2~3年に1回で良い」とのお墨付きも公的に与えられました。

 これらを踏まえれば2016年4月より胃がん検診は、「胃のバリウム検査もしくは胃内視鏡検査が選択可能」になり、なおかつ検診対象年齢は「50歳以上」で、頻度は「2~3年に1回」と変更になっても良いはずです。ところが、そのような話はあまり聞かれません。

 2016年度のさいたま市胃がん検診においても、検診対象年齢は「40歳以上」、なおかつ「毎年受診可能」と昨年と変わらない形での実施となりました。

 最近、テレビのバラエティ番組で、ある有名な先生が「バリウム検査をなくすと多くの人が職を失ってしまう」と発言しておられました。それもある一面では正しいとは思いますが、今回のガイドライン変更はあまりにも大きな変化すぎて現場レベルではすぐには対応不可能だろうというのが私の正直な感想です。

バリウム検査しか選べないのは時代遅れ

 胃がん検診には、「胃のバリウム検査」と「胃内視鏡検査」があります。