米大統領選のニューヨーク州予備選(19日)が行われる2日前、ニューヨーク市内にあるプロテスタント系の教会を訪れた。マンハッタンの5番街と29丁目の角に建つ石造りの教会で、ちょうど日曜日の礼拝が終わったところだった。
マーブル協同教会。
17世紀前半にピューリタン(清教徒)がボストン郊外プリマスに上陸して間もない1628年にニューヨークに建てられている。現在の教会は1854年に建設されたものだ。
その日、教会の牧師と、ある人物について話をすることになっていた。
敬虔なはずが15年間姿見せず
「彼のご両親が信者でしたから、連れられてよく来ていました。2番目の奥さんも教会の信者で、その時期も頻繁に来ていましたね。でも過去15年は全く姿を見せていません」
彼というのは共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏。不動産王としての業績と、大統領候補としての言動に世間の注目が集まるが、本人の内面、特に精神活動に光が当たることはあまりない。
昨年6月の出馬以来、過激な言動を繰り返しているトランプ氏はライバル候補を含めて多方面から否定的なことを言われるが、ほとんど怯んだ様子を見せない。
それどころか、攻撃されればされるほど勢いが増すようにさえ思われる。その精神的な強さの理由を探りたいと思っていた。
自伝やトランプ関連の書籍を読み進めていくうちに、キリスト教(精神活動)が大きな支柱となっていることに気づいた。