1億円を超える値段で売り出されている上海のマンション(筆者撮影、以下同)

 上海で終わったはずの住宅バブルが再燃している。2015年春以降、住宅市場が息を吹き返し、今年に入ってどんどん価格を上げているのだ。「いまだかつてないバブルだ」(地元紙)との声も聞こえてくる。

「中国ではもう住宅バブルはないだろうと思っていました。また、こんなことになるなんて信じられない」 こう語るのは上海在住の会社員だ。

 上海では誰もが「住宅価格は天井に達した」と思っていた。しかし昨年(2015年)、住宅価格が再び上昇局面に入る。上海で販売された住宅面積(新築・中古含む)は前年比55%増の1500万平米。1平米当たりの平均価格も3万元(1元=17.5円として約52万5000円)を超えてしまった(「捜房網」による統計)。

慌てて値段を書き直す不動産仲介業者

 上海市の西、虹橋空港に近い古北新区では、築20年近いマンション群が急騰した。1990年代に外国人向けに開発された区画である。

上海の不動産バブルが再燃している