つい最近まで、中国人が真っ先に目指す旅行先は香港だった。週末に香港で散財することが金持ちのステイタスであり、香港でブランド品のおみやげを買うことが中流市民の憧れでもあった。
そのおかげで香港の小売業は飛躍的に成長した。不動産業も商業地を中心に好況に沸いた。中国人旅行客は香港経済の成長に大きく寄与し、なくてはならない存在となった。
ところが、この関係が崩れた。2015年の香港経済はこれまでにない落ち込みを見せた。その大きな理由は、中国人客が香港を訪れなくなったからである。
香港で爆買いしまくった中国人客
2003年、中国政府は大陸住民に対して香港とマカオへの個人旅行を解禁した。これがきっかけとなって、香港を訪れる中国人客の数は増加の一途をたどる。