欧州難民対策、正念場に=独の受け入れ決断から半年

フランス北部の港湾都市カレー郊外にある一部撤去が始まった移民キャンプ通称「ジャングル」で、燃える小屋の前に立つ男性(2016年3月3日撮影)。(c)AFP/PHILIPPE HUGUEN〔AFPBB News

 ヨーロッパ各国は増加の一途をたどる難民の対策に頭を痛めている。

 シリアやイラクの政情悪化にともない、安住の地を求めてヨーロッパ大陸を目指す難民は昨年だけで100万人(UNHCR:国連高等難民弁務官事務所)に達した。今年に入ってからも増える一方で、すでに13万人(同、3月初旬)を超えている。

 難民の増加にともない、地元民とのトラブルも増え、「反難民」「反EU」を掲げる極右勢力や主権主義者への支持が広がっている。

EUとトルコが驚きの取引

 難民ルートは、地中海を渡ってイタリア、フランスを経由し英国を目指すルートと、トルコからギリシャ、マケドニア経由でドイツを目指すバルカンルートの2つがある。

 この数年で増え続けているのが、トルコ、ギリシャ、マケドニアを経由するバルカンルートのほうだ。英国を目指すルートが昨年約15万人、今年1月以来で約9000人なのに対し、バルカンルートは昨年約82万人で、今年は1月以降すでに12万2600人である(同)。