トランプ氏、支持者がナチスのような敬礼? 本人は一蹴

米テネシー州ミリントンでドナルド・トランプ氏の選挙集会に参加した支持者(2016年2月27日撮影、資料写真)。(c)AFP/Michael B. Thomas〔AFPBB News

 米大統領選序盤のヤマ場であるスーパーチューズデーにおいて共和党のトランプ候補が躍進したことで、現実に大統領に就任する可能性が意識され始めるようになってきた。

 トランプ氏は差別的発言を連発するお騒がせ候補だが、彼の発言を注意深く聞いてみると、実はオバマ大統領と共通点が多いことが分かる。人種差別的なポピュリズムを取り払った場合、トランプ氏の政策は、共和党主流派ではなく、むしろオバマ路線の継承に近い。

 正反対の存在に見えるオバマ大統領とトランプ候補に共通点が多いのは単なる偶然ではない。背景にはシェールガス開発によってエネルギーの自給が可能になったという地政学的な変化がある。

 かつて米国は、世界に背を向け、引きこもりを続けた時代があったが、米国はもしかすると新しい孤立主義、つまり新モンロー主義の時代に向かおうとしているのかもしない。トランプ氏が大統領にふさわしいのかという問題とは別に、米国経済の底流に大きな変化が生じている可能性について我々日本人は意識しておく必要がありそうだ。

トランプ下ろしが活発化しているが・・・

 スーパーチューズデーは、指名争いにおける天王山とも言われ、10以上の州において予備選や党員集会が行われる。スーパーチューズデーを制した候補はその後も有利な展開ができる可能性が高いことから、各候補者はここでの勝利に全力投球することになる。