2月26~27日、中国・上海でG20の財務相・中央銀行総裁会議が開かれた

 2月26、27日の上海G20はリスクオフムードを一変させる画期となるだろう。「最近の市場は世界経済の実態を反映していない、市場安定のために政策手段を総動員する」との声明は、各国の当局が市場を売り崩す投機家に対して、一致して対峙する姿勢を鮮明にした。

 財政政策の活用など新機軸も盛り込まれた。具体策に乏しいとの批判はあるが、それは違う。通貨の安定とともに資本移動の監視・規制強化を容認する姿勢を鮮明にしたことにより、焦点の中国の政策自由度は大きく高まる。「過度の変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与えうる」との声明の含意は大きい。

 通貨の競争的切り下げの回避、人民元の価値維持という大義名分のためには、中国は躊躇なく資本規制に踏み込むだろう。これで中国は国際金融のトリレンマから逃れることができ、投機筋の人民元売りは経路を絶たれることになる。

 ジョージ・ソロス氏が「中国のハードランディングは不可避」と発言し、人民元や香港ドルなどのアジア通貨売りを宣言したことにより、中国危機の焦点が人民元と外貨事情にあることが鮮明になったが、今後事態は安定化していく可能性が高まる。

 2014年6月から2016年1月末までの19か月累計で、中国の外貨準備高は7600億ドル(3.99兆ドル-3.23ドル)と著しく減少した。これに同期間の推定経常黒字額4000億ドルを加えると、合計で1.1兆ドル以上の巨額資本が中国から流出したことになる。この急減する外貨準備、急増している資本流出、人民元の先安観に歯止めをかけること、それが焦点であったが、歯止めがかかるという可能性が出てきた。そうなると中国は財政と金融政策の総動員により、経済成長の立て直しも可能となる。中国発国際金融危機の可能性は(将来は別として当面は)著しく小さくなったといえる。