指とともに生まれた数

 私たちは指を折ったり、指差しすることで、

 ひとつ、ふたつ、みっつ

 と数を数えます。数万年か数十万年前の大昔の人類も、指を用いて数えていたことでしょう。

 そのときはまだ「数の概念」が誕生していませんでした。実に長い年月をかけて、私たちはついに「数の概念」を発見しました。

 かくして文明が発展し世界は今日に到ります。簡単なたし算やひき算を両手でやった幼少期を思い出してみましょう。

 指や音声といった自分自身の体を通して、私たちは目に見えない数にリアリティを持っていきます。

 両手を使ったかけ算をすることで、数への原始的な思いを巡らすことができます。