住宅・不動産ジャーナリスト 目黒孝一さん

 消費税増税前の駆け込み需要によって、やや活性化しそうな2016年のマンション市場。

 マンション価格の上昇や、商品企画の多様化も進むなか、満足度の高い快適な住まいを手に入れるには、どんな視点を持つことが求められるのだろうか。

 住宅・不動産ジャーナリストの目黒孝一さんに、マンション選びを成功に導くチェックポイントをアドバイスしてもらった。

首都圏のマンション市場 今後のトレンドは?

――これまで上昇を続けてきたマンション価格の今後の動きをどう予測されますか?

 首都圏の新築マンション平均購入価格は2012年から徐々に上昇し、2015年には5500万円台に達しました。

一般のビジネスパーソンの収入をベース考えれば、夫婦共働きであっても購入限界に近い水準です。

 ただし、高騰していた建築コストも徐々に落ち着きそうなことから、価格上昇はある程度、落ち着くことが期待されます。

――新築マンションの販売市場には、どのように変化が見られそうですか?

 2015年の首都圏の供給数は前年比9.9%減でしたが、2016年は前年比で約6%増える見込みです。 

不動産経済研究所の発表数字を元にグラフ作成

 消費税増税前の駆け込み需要も見込まれることから、2016年の販売市場は活性化するでしょう。

 最近のキーワードといえるのが「分散化」です。

 「都心」の超高額物件はもちろんのこと、都心近郊の再開発エリアや郊外の駅近の建設も増えており、視野を広げれば好条件の物件と出合う確率が高くなりそうです。

 特に郊外の良質物件もかなり見直されるのではないでしょうか。

 また、DINKS向けやシニア向けなどバリエーションの多様化も進み、個々の家族像やライフスタイルにマッチする住まいの選択しがより豊富になりそうです。

――2017年4月の消費税増税は、購入判断にどう影響しそうでしょうか?

 2017年4月1日以降に引き渡される新築マンションの消費税は10%になります。

 ただし建設中のマンションについては、引き渡しが増税後でも2016年9月30日までの契約なら8%で購入できる「経過措置」が適用されます。

 一方で、依然として住宅ローン金利は歴史的な低水準を保ったまま。

 価格の変動を正確に把握することは簡単ではありませんが、やはり、当面は良い物件との出合いがあったときが、“買いのタイミング”といえるかもしれません。

これからの住まい探しに必要な視点とは

――満足のいくマンションを購入するには、どんな心構えを持つことが大切なのでしょうか?

 価格、立地、間取り、周辺環境、基本性能や付帯設備など、マンション選びには検討すべき基準がいくつもあります。

 そのすべてを満たすことは難しいので、まずは家族全員の希望をリストアップし、優先順位をつけることが大切です。

 何を重視するかはそれぞれの家族の価値観によって異なりますが、予算の範囲内で多くの希望をバランス良く満たしているほど、その家族にとって“価値が高い住まい”ということになるでしょう。

 逆にあまりにも偏った選択をしてしまうと、失敗や後悔につながるケースが多いようです。

――「バランス」のほかに着目しておくべき点はありますか?

 家族のライフスタイルに応じた基準は主観的なものですが、資産価値という客観的な尺度もあります。

 少子高齢化に伴って社会保障に対する不安が広がるなか、購入するマンションが将来一定の資産価値を保つとすれば、大きな安心材料となってくれます。

 例えば子が巣立ってから親世帯が住み替えを考えるとき、一般に駅近や大手デベロッパーのマンションほど売却価格が有利です。

 そうした観点に立てば、周辺の相場より高かったとしても、選んで損のない物件もある。

 このように将来の売却の可能性など、長期的なライフステージを見据えて判断することも、マンション選びを成功に導く秘訣です。

成功するマンション選び 5つのポイント

――それでは具体的に、どんなポイントをチェックすればよいのでしょうか?

ポイント1 予算に応じた柔軟なエリア設定

エリアを絞り込みすぎない

 住みたい街を絞り込みすぎると、想定する予算内で購入できる候補物件の数が限られてしまいます。

 特定のエリアにこだわらず、希望エリアと同距離圏で販売している物件まで視野を広げれば、選択肢がぐんと拡大します。

 例えば、大手町から30分以内なら西側ではなく東側でも探してみる。

 あるいは、希望の駅から1つ下ってみるといった形です。

 共働き世帯なら、「夫婦がともに同程度の時間で通えるエリアはどこか」という探し方もあるでしょう。

 その上で価格、間取り、生活利便性など、自らが設定した優先順位に従って判断することが、希望条件をバランス良く満たすことにつながります。

ポイント2 適切な購入タイミングの見極め

 2017年3月までの引き渡し、または2016年9月までの契約物件なら、消費税増税の影響を受けずに購入できます。

税制だけでなくライフスタイルも踏まえて購入タイミングを見極める

 一方で、親や祖父母から贈与を受けて消費税10%の物件を買う場合、2016年10月以降の契約なら贈与税非課税枠が2500万円に拡大(同年9月までの非課税枠は700万円)されることになり、どちらが得かは物件の価格や贈与税額によってケースバイケースです。

 つまり、消費税増税ばかりに左右されることなく、綿密なシミュレーションをした上で、ベストなタイミングを測ることが重要です。

 特にお子さんのいらっしゃるご家庭で「この地域で育てたい」あるいは「学区を変えたくない」といった譲れない条件がある場合は、税制よりもそちらを優先すべきでしょう。

ポイント3 安全・安心に直結する基本性能

基本性能の信頼性

 購入後に安心して暮らすには、構造の強度や耐震性といった基本性能が十分に確保されていなければならないのはいうまでもありません。

 最近では、東日本大震災やデータ偽装といった問題もあり、安全・安心を重視される方も多いはずです。

 マンションの総合的な品質は設計・施工監理体制に左右されるので、信頼できるデベロッパーを選ぶことが、より重要なポイントとなってきているといえるでしょう。

 また、いざというときの防災・減災対策がどれだけ施されているかにも目を配りたいものです。

ポイント4 より快適な暮らしをサポートする設備・仕様

暮らしを支える設備にも注目

 暮らしを快適にする設備は進化しており、いまや食洗器、床暖房、ミストサウナなどを備えたマンションが主流になりつつあります。

 施工前なら間取りプラン、内装、フローリング、ドアの色を選べるマンションもだいぶ増えてきました。

 さらにインテリアカラーのセレクトやトータルコーディネートサービスが用意される物件なら、さらに生活空間が豊かになり、満足度が高まるでしょう。

 また、購入後は長く住むことになるでしょうから、太陽光発電や一括受電など、エネルギー効率を高めながら光熱費を安価にするエコ対応型かどうか、逆に自分に不必要な共用設備や高価な設備があるかもチェックしたいところです。

ポイント5 管理・アフターサービスの充実度

サポート体制の充実

 安心な暮らしには、建物の日常的なメンテナンスや長期修繕計画、居住者を守るセキュリティや管理体制も不可欠です。

 また、快適な生活には居住者同士の良好なコミュニケーションも欠かせません。

 建物の管理からコミニユティ形成の促進まで、居住後のサポートがどれだけ充実しているかも、マンション選びの大切な要素の1つです。新築マンションは住みはじめた瞬間から中古マンションになります。

 快適なマンションライフに必要なのは一にも二にも万全な管理とアフターサービス。

 これは、マンションの資産価値を長期にわたって維持することにもつながります。

「品質」へのこだわりで定評のある「ザ・パークハウス」

 高い満足度をバランスよく得られるマンションの1つとして評価を受けているのが、三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス」だ。

 「一生ものに、住む。」をコンセプトに掲げ、多様な家族構成や居住ニーズに応える住まいを提供している。

 その特長は、基本計画段階から入居後までを見据えた「住まいの品質」への徹底的なこだわりにある。

 三菱地所が明治時代から、丸の内の街づくりで培ってきた経験を<5つのアイズ>として結実。

 「建物品質」、「環境配慮」、「防災・防犯」、「コミュニティサポート」など、安心・快適に暮らせるマンションの条件を余すところなく兼ね備えている。

 例えば「建物品質」では、同社の品質管理担当者たちが建設現場を巡回し、試験杭打設時(施工時)の土質・支持層を再確認することに始まり、基礎および基準階の配筋検査、上棟時のコンクリート躯体検査・防水検査、内装仕上げ工事時の居住性能(断熱、遮音等)に関わる検査などを実施。

 施工状況について「CHECK EYE’S REPORT」として、写真付きで報告するという徹底ぶりだ。

 ウェブサイト「三菱地所レジデンスの住まいのギャラリー」では、こうしたザ・パークハウスの最新の物件情報や、毎日の暮らしを豊かにするためのさまざまな情報が得られる。

 同サイトでThe Parkhouse Clubに入会すれば(年会費・登録料無料)、会員限定のキャンペーンやイベントの案内も受けられるので、理想の住まい探しに役立つだろう。

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