中小食品メーカーも知っておかねばならない「HACCP」

日本にも義務化の時代が来るかもしれない

2015.10.02(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

 海外では導入が進みつつある衛生管理の手法「HACCP(ハサップ)」。しかし、日本では普及が進んでいない実態がある。近年、日本から食品を輸出する際、輸出先の国からHACCPによる衛生管理が求められるようになってきており、日本でもHACCPの義務化が検討されている。

 そこで、世界での情勢と比較しながら、日本でのHACCPの導入状況を概観し、義務化を見据えた課題について考えてみたい。

HACCPは食品の安全性を高める衛生管理手法

 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、もともと宇宙食の開発から生まれた食品の衛生管理手法だ。日本語では「危害分析・重要管理点方式」という。メーカーが食品を作る中でどのような危害がありうるかを調べ、危害が発生する原因を見つけて発生しないための方法を考える。HACCPには一般的に、表のような原則がある。

HACCPの7原則 (参考:インターネット調査より著者作成)
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 要点は、食品危害を重点的に管理するポイント(重要管理点、以下、CCP)を定め、管理方法を決めることだ。微生物が発生しやすい温度になっていないか、異物が混入しやすい工程はないかなどのCCPを決め、危害を防止あるいは低減させる。

 たとえば、ある食品メーカーでは、商品を出荷するまでの工程に、原材料の受け入れ、原材料の混ぜ合わせ、加熱処理、冷却、袋詰め、箱詰め、出荷があるとする。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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