米医療保険制度改革をめぐり「特攻隊」発言、日系議員が強く非難

ワシントンD.C.で議員らと談笑するマイク・ホンダ下院議員(右、2009年10月22日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Chip Somodevilla〔AFPBB News

 米国連邦議会下院のマイク・ホンダ議員(民主党)は、日本でも最も知名度の高い米国政治家の1人と言ってよいだろう。2007年に慰安婦問題で日本を糾弾する決議を下院で採択させた張本人である。

 そのホンダ議員が選挙活動での一連の不正行為の容疑により、議会当局の倫理調査部の聴取や査問を受けている。その結果は同議員の政治生命を大きく左右することになりそうだ。

安倍首相の米議会演説でも内容を非難

 ホンダ議員はカリフォルニア州議会議員だった1990年代から「日本の戦争犯罪」を追及してきた。ただしその追及は、同じカリフォルニア州に本部をおく中国系の反日組織「世界抗日戦争史実維護連合会」(略称「抗日連合会」)に指導され、資金面でも支援をされてきた。抗日連合会は在米中国人を指導部中枢とし、中国の政府や共産党とも密接なつながりがある。

 ホンダ氏は2001年1月に連邦議会の下院議員に就任した。前年の選挙戦では、抗日連合会の幹部たちがこぞって選挙資金を寄付していた。ホンダ氏は下院議員に就任すると、慰安婦問題を日本の国家犯罪とみなして日本政府に謝罪を求める非難決議案を即座に提出した。

 同決議案は当初は議会指導部から優先的に取り上げられることはなく審議に回されなかった。しかしホンダ議員は毎会期、同じ議案を提出し続け、2007年の議会で民主党が下院の多数を大きく制すると同決議案も推進されることとなった。

 ホンダ氏は日系3世の米国人だが、韓国系、中国系との絆が強く日本を糾弾する言動が多い。今年4月末の安倍晋三首相の米議会演説でも、その内容を非難する数少ない議員の1人であった。