シリアのアレッポで10人処刑、アルカイダ系組織の法廷が命令

シリア北部アレッポで、旗を掲げながら行進する国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「アルヌスラ戦線」の戦闘員ら(2015年5月26日撮影、資料写真)。(c)AFP/AMC/FADI AL-HALABI〔AFPBB News

 2001年の9.11同時多発テロ、そしてそれをきっかけとして開始された米国の対テロ戦争──21世紀初頭の国際政治では、国家が、非国家主体であるテロ組織にどのように対峙するかが大きなトピックとなった。

 最近は、米軍のイラクやアフガニスタンからの撤退など米国の中東における軍事的プレゼンスが縮小するにつれ、国際政治の焦点が中国の台頭や米中関係などへと移りつつある。

 それに伴って、世界的なテロ情勢は21世紀初頭よりも落ち着いてきたと思う人がいるかも知れない。しかし、現実は全く逆である。

イスラム国の影響がそのまま2014年のテロ統計に

 今年も米国の国務省がテロ年次報告書を発表した。近年になり、国務省はメリーランド大学のテロリズム研究機関「START」のデータを引用するようになった。

 まず、2014年に世界中で発生したテロ事件数、テロ犠牲者数の推移を見てみよう。