加と仏、テロ対策で情報当局の権限強化 人権侵害の懸念も

カナダの首都オタワでイスラム教徒の男が連邦議会議事堂に侵入、銃を乱射した事件後に市内を歩く警官ら(2014年10月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/Lars Hagberg〔AFPBB News

 2014年から今年にかけて、カナダ連邦議会議事堂銃乱射事件(2014年10月22日)、シドニー人質立てこもり事件(2014年12月15日)、フランス紙襲撃テロ事件(2015年1月7日)、チュニス外国人観光客襲撃事件(2015年3月18日)など、過激なイスラム原理主義に傾倒したテロリストまたはテロ組織が関与しているとされている事件が立て続けに発生した。

 また、日本人の人質2人がISIL(いわゆる「イスラム国」)に殺害されたこともあり、日本においてもイスラム原理主義に関する関心が高まっている。

 一方で「イスラム原理主義者=テロリスト」という間違ったイメージが広がる兆候も見受けられる。そこで今回はイスラム原理主義とはどのような思想、運動なのか改めて整理してみたい。

宗教としてのイスラム教の特徴

 イスラム教はムハンマド・イブン・アブドゥッラーフ・イブン・アブドゥルムッタリブ(Muhammad ibn `abdullah ibn `abd al-MuTTalib:570頃~632)によって、610年頃にアラビア半島の商業都市メッカ(現サウジアラビア)で創設された宗教であり、ユダヤ教およびキリスト教の影響を色濃く受けている。