安倍晋三首相がまもなく発表する戦後70年談話で、日本の過去の行動への謝罪(お詫び)が明確に含まれるかどうかが焦点となっている。
だが、米国のオバマ政権は、「反省(Remorse)」の表明は期待はしても「謝罪(Apology)」の具体的な表明は求めてはいないことが、同政権当局者の8月7日の発言で明らかになった。
中国や韓国、そして日本の一部では、「米国政府が安倍首相の謝罪表明を求めている」として圧力をかけているが、どうも実態は異なるようだ。
「首相の発言を予断することはしない」
8月7日の定例会見におけるオバマ政権のマーク・トナー国務省報道官の発言を、質疑応答の原文のまま紹介しよう。政権全体の対外的な公式見解は、この国務省での報道官の発言に代表される。
戦後70年談話について質問したのは米国人記者だった。
記者 「国務省当局は安倍首相が謝罪を述べることが必要だと考えていますか。それとも反省を表明すれば十分だとみなすのか。ダニエル・ラッセル国務次官補は7月21日に、ある趣旨の言明をしていますが」
報道官 「どんな趣旨の言明だったのですか」
記者 「反省を表明すれば十分だという趣旨でした」