セ・リーグの連勝で幕を閉じた今年のオールスターゲーム。交流戦でパ・リーグに負け越した雪辱を果たした形になりました。再開されるレギュラーシーズンの見どころは、何と言っても団子状態のセ・リーグ。史上初の貯金ゼロで折り返すことになった各チームの中で、どこが抜け出すのか注目です。

 現在のところ、決め手に欠ける各チーム。最後は、個人の成績以上に、いかにチームとして機能できるかにかかっているに違いありません。

普通にやったら勝てない

 チームとしてうまく機能するためには、統一されたビジョンが必要です。

 そこで、まずは『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』(高橋秀美著、新潮文庫)をご紹介します。

 舞台は、毎年200人以上が東京大学に合格するという、日本一の進学校の開成高校。

『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』(高橋秀美著、新潮文庫、529円、定価)

 その野球部が、平成17年度の甲子園大会東京都予選で、見事ベスト16に入りました。グランドも週に1度しか使えず、練習時間も限られています。もちろん、特待生制度もなく、有望選手も入学してきません。それなのに、なぜ結果を残せたのか。驚いた著者が、頻繁に学校に足を運び、その秘密を記したのが本書です。

 野球部を率いる青木秀憲監督は言います。

 「普通にやったら勝てない」

 実力が備わっていない開成高校野球部が強豪校相手に勝つには、セオリー無視のハイリスク・ハイリターンの野球しかありませんでした。そこで、守備には目をつむり、超攻撃的野球のセオリーを編み出し、徹底的に取り組みます。