日韓関係改善の障害となり続けている慰安婦問題についての日本側からの「幻の提案」が、7月8日、米国の首都ワシントンで浮上した。
この提案は2012年の日本の民主党政権時代、当時の外務次官だった佐々江賢一郎氏(現駐米大使)が韓国政府に提示した大幅な譲歩案である。もしその線で日韓の合意が成立していれば、日本側に、河野談話にも等しい歴史上の悔恨を残したことであろう。まさに日本の民主党政権の謝罪外交を象徴する提案でもあった。だが、韓国側には、なおこの提案が復活することへの期待が残っているようなのだ。
ワシントンのシンポジウムで読み上げられた質問
ワシントンの大手研究機関「ヘリテージ財団」は7月8日、「米韓日各大使の対話」と題するシンポジウムを開いた。米国のサン・キム前駐韓大使、韓国の安豪栄駐米大使、日本の佐々江賢一郎駐米大使の3人が、米韓日関係や北東アジア情勢について討論や質疑応答をするという集まりだった。司会を務めたのは同財団上級研究員のブルース・クリングナー氏である。
このシンポジウムで、クリングナー氏が聴衆から質問を集めて読み上げるセクションがあった。その中でこんな質問が読み上げられた。慰安婦問題での「佐々江提案」に関する内容だった。