梶謙製磁社の伝統的な有田焼の皿である「めでたい」。通常、縁起物である鯛は左に頭を持ってくるが、あえて右頭にして、事業の右肩上がりの意味を含ませた

 成田空港から5700円で九州の佐賀空港へ。有田焼400年プロジェクトが進行中の有田町は佐賀県の山間の小さな町ながら、これまで書いてきたように日本史だけでなく世界史にも大きな影響を与えてきた。

 このあとは歴史を離れて現代の有田焼について触れたい。ところが、実は格安九州の取材旅行記は、有田町を出て、高速道路で200キロとちょっと、約3時間半のドライブで高速料金とガソリン代を合わせると成田~佐賀の航空券よりも高くなってしまったが、一足先に大分県別府市へと移動してしまった。

 立命館アジア太平洋大学(APU)の是永駿学長インタビュー(「世界一流の人材を輩出するAPU、次の一手は競争力~20年後、APECの閣僚会議は別府出身者が独り占め?」)を先に公開したので、お読みいただければ幸いである。

 この記事には書けなかったのだが、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いと言っていいかもしれないAPUに死角はないのか――と言うと、実は、最大の懸念は日本の安全性だという。

 と言っても中国の軍事的圧力のことではない。原子力発電所の事故についての不安である。海外から自分の子供を日本に留学させる際に親から出てくる最も多い心配事がこの問題なのだそうだ。

規制強化に走った台湾

 しかし、こればかりはいくら風評被害だと日本政府が主張しても、目に見えない放射線に対する親の心配を取り除くことはできない。御嶽山の噴火に続き、箱根の大涌谷が立ち入り禁止となったり、鹿児島県の桜島も大きな噴火を起こしている。

 そうした中で原発の再稼働を急ぐ日本政府をどうして信用できるのか――。そもそも国家に対する信頼度が日本より高くない世界の人たちである。他国の政府がいくら安全だと喧伝しても子供の安全を何よりも重視する親の心配を取り除くことはできない。

 台湾は5月15日に日本からの農産物に対して都道府県別の産地証明を義務づけた。日本政府は撤回を求めているが、台湾の人たちの心配から生まれた規制の撤回を実現するのは容易ではないだろう。

 また日本政府は5月21日、福島県など8県産の水産物を輸入禁止にしている韓国に対し、世界貿易機関(WTO)へ提訴する手続きに入ったが、地下水によって放射性物質が海へ流れ出るのを防ぎきれていない状況では、WTOが簡単に提訴を受け入れるとは考えにくい。