米海軍、西太平洋で衝突・墜落の戦闘機パイロットの捜索を中断

F/A-18ホーネット戦闘機(2003年3月21日撮影、資料写真)〔AFPBB News

 4月1日午後1時19分、2機のアメリカ海兵隊F/A-18Cホーネット戦闘機が台湾の「台南飛行場」(民間と軍が共用)に緊急着陸をした。ペンタゴンは「着陸した2機の戦闘機のうちの1機にメカニカルトラブルが発生したため、台湾当局の許可を得て台南空港に緊急着陸した」と発表した。

 これに対して中国共産党政府はアメリカ側に対して厳重な抗議をするとともに、「1つの中国政策」ならびに三度にわたる「米中共同声明」を尊重し遵守するように強く警告した。

警告灯点灯により緊急着陸

 緊急着陸した2機のF/A-18Cはアメリカ海兵隊第323戦闘攻撃飛行隊(VMFA-323)に所属し、現在は岩国アメリカ海兵隊基地を拠点にしている戦闘機である。

 4月1日は、岩国から沖縄を経て台湾とフィリピンの間のバシー海峡上空を抜けて南シナ海上空に至り、南シナ海上空を南下してシンガポールに向かう予定であった。そしてシンガポールでは、シンガポール空軍との合同訓練(コマンドウスリング)に参加することになっていた。

米海兵隊戦闘機は日本を飛び立ってシンガポールに向かう途中だった(Googleマップ)

 台湾の太平洋側沖上空(もちろん詳細な航路は公表されていない)を飛行中、海兵隊戦闘機2機のうち1機のエンジン油圧警告灯がアラームを発し点灯し続けた。2機のパイロットはエンジントラブルの可能性があるために緊急着陸を決断し、米軍の規定に則り、最も近距離に位置する安全な飛行場に着陸許可を求めた。

 海兵隊ならびに太平洋軍の説明によると、最も近接していたF/A-18Cが着陸可能な飛行場が、台湾の台南飛行場であった。