震災後、コストパフォーマンスだけでなく、エネルギーリスクの分散という点からも注目されている、天然ガスによるガス空調。

 電気料金の高騰も重なって需要が急増し、市場はV字回復を遂げている。

 ランニングコストの安さだけに留まらない、ガス空調がもたらす社会的意義について、自らを“天然ガスの普及応援団”の一人と語る早稲田大学の恩藏直人教授に話を聞いた。

天然ガスはクリーンで安い代替エネルギー

 4年前の東日本大震災以降、人々のエネルギーに対する意識は大きく変わった。

 エネルギーの多様性が重視され、ランニングコストの安さと有事の際の代替エネルギーという観点から、ガス空調が見直されている。

 ガス空調市場の中心は、業務用や工業用だ。

 病院や学校、オフィスビル、商業施設といった業務用から、工場などの工業用まで、ガス空調はさまざまな場所で採用されている。

 市場は2000年をピークに下降傾向が続いていたが、震災の影響やコストパフォーマンスのよさから、見事なV字回復を果たしている。